経済リポート 1995年5月
山栄建設(株)
山本敏史社長
府中市本山町530−114 рO847−41−5166
呼吸する住宅を
太陽熱や電気エネルギーを利用した省エネ住宅が登場、住宅業界も
新時代を迎えている。その中で、府中市の山栄(さんえい)建設(株)
(資本金1500万円)が取り組んでいる「高断熱・高気密住宅」に関心が
高まっている。7月ごろ芦品群新市町に1号の住宅と、福山市御幸町に
ショールームがお目見えする。
新聞やテレビで話題を集めたホクシンハウス(長野県上水内群)開発の
「FB」「FBS」という工法を導入、「呼吸する住宅」をキャッチフレーズに、
夏涼しく、冬暖かい快適な住環境が得られるという
FB工法は建物の外側を「SCフォーム」という熱や湿気にも強い断熱材で
包み、床下や壁の中までも室温と同じ温、湿度の環境にするのが特徴。
さらに、天井裏に設置した全熱交換型換気扇で、四季に応じた温度の
新鮮な空気を室内に送り込む。同工法が「呼吸する住宅」といわれる
所以(ゆえん)だ。
高気密・高断熱のため、厳寒の冬もストーブ1台で暖かく、また建物全体
を暖めるため、お年よりの健康に最適なほか、温度差で発生する結露も
生じないという。
この工法に太陽光エネルギーを集熱するシステムをプラスしたのがFBS
工法。太陽熱というソフトなエネルギーを利用、レベルアップした高断熱・
高気密住宅で、平成4,5年度の(財)住宅建築省エネルギーコンクールで
機構奨励賞を受賞した
共に住宅金融公庫の融資を受けることができる。価格はFB工法が在来
工法より5〜15%高く、FBS工法はさらに100万円アップで施工可能。
「当社は安全、安心、暖かい 3A(サンエイ)」をキーワードに、新しい
住宅会社を目指しておりましたが、数年前、高断熱・高気密住宅に出会い
「これからの住宅だ」と直感、導入を決めました。山陽地区は温暖と言われ
ますが、1年間の寒暖の差は結構激しい。このシステムを使うと、想像以上
の快適さを味わうこと請け負いです」と山本社長は胸を張る。
さらに、中国電力が推進しているハイパワーの200Vを使った電化住宅
の組み合わせも提案する計画。
これにより、一層クリーンで快適な生活を営むことができるという訳だ。
弟の建築部長と協力
同社は昭和44年に設立。土木55%、建築45%の工事比で、年商約9億
円。現社長は平成2年に就任した。福山大学工学部土木工学科卒。35才
の若さを武器に同大学工学部建築学科を卒業した弟と協力し、新規分野
の開拓に積極的だ。
3年前、中国地方で初めて新築、リフォーム用のカラーコーディネートCAD
を導入している
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