日本住宅新聞 1999年3月15日

FB工法+太陽光発電で
好調の山栄建設 今年度は30%アップ

 住宅減税や低金利政策により最近の住宅業界は、消費税値上げ前
の状況に近い好調を示している。
 
 なかでも差別化工法を持っている工務店は強い。

 FB工法(フレッシュ・ベーシックハウス=ソーラーの熱を利用した
呼吸する高断熱・高気密住宅)を開発した長野県の北信商建(株)
は、昨年50%増の130棟に、今年に入っても受注の勢いが止まらない
と語る相澤専務だ。

 同工法を4年前に導入した広島県府中市の山栄建設(株)山本敏史
社長も同じだ。
 
 同社は土木会社として昭和43年に設立された建設会社だが、事業
の多角化を図って平成6年に戸建て分野に進出。その時、何も特徴
がないのでは競争に勝てない、ということでFB工法を導入した。

 さらに同社独自のものとして中国電力とタイアップしてオール電化
住宅にも取り組んできた。すなわちFB工法プラス太陽光発電を組み
込み、さらに深夜電力の蓄熱暖房機と電気温水器によるセントラル
暖房、給湯システムを標準装備した住宅づくりをアピール。

 「中国電力とその関連企業グループからの支援もあって、太陽光
発電システムはこの2年で既に棟に、このうちFB工法の新築住宅へ
の設置が20棟になりました。FB工法で新築した私の自宅を展示場に
し、現物をよく見て体験していただくことで、受注確率が格段に高まり
ました」と山本社長。

 山本邸は、木造軸組工法による2階建て、地下室には7KWの蓄熱
型電気暖房器、2階天井裏ダクト内に500Wのルームエアコンがある
だけで全館冷暖房。給排気系には100Wファンの全熱交換器が組み
込まれ、一部母屋の屋根を借り太陽光発電が設置されている。

 これが好評を博し、昨年は20棟の受注であったのが、今年に入って
からすでに10棟の受注を超えているという。このペースでいくと今年度
は30棟は超えそうだと同社の山本部長は自信ありげに語る。

 しかし「棟数を伸ばすだけではいけない」「高気密高断熱住宅である
だけに厳密な品質管理を現場では徹底し、お客様が長い間満足して
住んでいただけるようにしなければ後が怖い」と今の好調さにも気を
緩めてはいない。
 
 また、現在FBグループメンバーは全国に8社いるが、フランチャイズ
方式で全国展開する考えはない、というのが相澤さん (北信商建専
務)の方針。しかし、地球にやさしく健康的な住宅づくりに真面目に
取り組み、お客様満足第一主義で取り組んでいる工務店なら メン
バーに入れても良いという考えだ。

問い合わせ先
п@026−253−6655 北信商建


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