ヒゲの平成徒然草 1999年 10月26日号【第 53号】発行部数 ? ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ □■□■ □■□■ 加湿器 □■□■ 「なんじやこりゃ〜!」 ある朝、社長室のドアを開けたヒゲの口から驚きの声があがった 社長室の床、机の上、さらに置いてある書類から応接セット、窓ガラスが まるでスプリンクラーで水を撒かれた様にビッショリ濡れているではないか。 しかし、昨夜も今朝も雨が降った形跡はない それどころか、異常乾燥注意報が発令されていたはずだが・・・ 呆然と立ち尽すヒゲに出社してきた建築部長が声をかけた 「おはようございます。今日も寒いですね、さっきラジオで今朝は今年一番の 冷え込みだと言ってましたよ」そういいながらヒゲの後から社長室に入ってきたとた ん 「うわ〜なんですか これ水びだしじゃないですか」 濡れた床で足をすべらしそうになりながら部長が叫んだ 「うん、いま来てみるとこうなっていたんだが、・・・」 唖然としたヒゲの目ににある白い物体が飛びこんできた それは昨日から社長室にお目見えした加湿器である 「これかなあ」とヒゲがぞうきんを手に加湿器を拭きながらつぶやいた 「え、加湿器ですか、いつからここに」部長が応接セットを拭いたぞうきんを ばけつに絞りながら聞いた 「ちょっと じゃまよどいて」古だぬきの事務員がモップで床を拭きながらだ るそうに足でバケツを動かした 「ここんとこ、異常乾燥注意報が出てるし、この部屋は暖房にエアコンをかけ るから空気が乾いて風邪をひいてははいけないと思い、昨日から使ってみたんだが・ ・・ そういえばきのうは1日中ここにいたから何度かタンクの水も差し替えたような・・ ・ 「間違い無いですよこの加湿器が犯人です。 社長が昨日この部屋にいる間中、ガンガンエアコンで暖房されてたでしょう。 暖かい空気には多くの水蒸気を含む事が出来ますからこの部屋の湿度はかなり 高くなっていました。 ところが、事務所を帰る時はエアコンを止めてしまいます。 さらに今朝は今年一番の冷え込みですからこの社長室の温度も低くなりました。 まして、この社長室は社長室とは名ばかりのプレハブ造りでおまけに3面に窓 があり断熱性なんて全くないですからすぐに冷えますよ。 それで、冷たい空気に含みきれなくなった水蒸気がこの結露となったわけです」 「結露?結露なら家でもするが、こんなにひどくはないよ」 社長室をプレハブ呼ばわりされ、憮然としてヒゲが言った。 が、現実はその通りである 文句は言えない ^^; 「ためしに今日は加湿器を使わないで様子をみたらどうです」 「そうだな、毎日机や床を掃除するのはたまらないからな」 と言いながらヒゲはだるそうに床を拭いている古だぬきを見た 加湿器を使わなくなって 社長室はもう結露が起きなくなった しかし、乾いた空気でヒゲ社長は喉をやられ、ついに風邪をひい てしまった この物語りは ノンフィクションであり、登場する人物及び建物 の構造はすべて本当です。 FB工法と知り合う前の年の出来事でした。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ もどる