ヒゲの平成徒然草 1999年 11月 1日号【第 57号】発行部数 ? ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ □■□■ □■□■ ごまかし □■□■ 西暦200×年 ここは あるテレビ局の会議室 先ほどからワイドショー番組の打ち合わせが 行われていた 新人のディレクターがテレビ局の幹部にくってかかっていた 「ですからWHOが1983年にすでにこのシックビル症候群について定義して いるんですよ、どうしてマスメディアが取り上げてはいけないんですか 25年で大量廃棄処分される家を造るのをだまって見過ごせと言うのですか 結露が原因でアトピーやアレルギーになることをどうして知らせてはいけない のですかこれは国の住宅政策の誤りです国を追求すべきです グラスウールの断熱材を壁の中いっぱいに詰めこむなんて家をくさらせる と言う事を消費者に知らせるべきです 外断熱工法のほうが内断熱工法より安全で長持ちする家が出来るのです どうして外断熱の良さを知らせてはいけないのですか」 このディレクターはヒゲの平成徒然草を読んでいた ^^; 「今回の放送はこちらで行きなさい」 幹部がディレクターにメモを渡した そのメモにはこう書いてあった 地元の工務店では工事が完成する前に倒産するかも知れないと広める事 地元の工務店で建てた木造3階建ての家があぶないと広める事 地元の工務店が造った家での手抜き工事を大げさに広める事 地元の工務店では住宅の性能保証が出来ないと広める事 「なんですかこれは まるで地元の工務店で家を建てるな! と言っているじゃあないですか 地元の工務店にもまじめに一生懸命やっているところが有りますよ いや 悪質な業者はごく一部でみんな良心的な所ばかりですよ」 「こちらに来なさい」 幹部が窓側にディレクターを呼んだ 「君は若いからまだ世の中のしくみが解ってないのはしょうがない ここから何が見えるかね」 そう言われて窓の外を見ると 真新しいたくさんの建物が見えた 「家がみえますが・・・」 「そう しかしあの家には人が住んでいない あれは 当社の住宅展示場だ 当社には住宅展示場が10あるがすべてハウスメーカーが入っている 一つの展示場に15社もだ、そこから家賃も十分に入ってくるしCMも入って くる 計算してみろ月々いくら入るか1社1箇所から月に120万だぞ120万 120×15×10が一月の家賃収入だ、その12倍が年間のテレビ局の収入だ。 君らの給料は全てそこからいただいている事を君はわからないのか なぜ必死になって視聴率を上げなくてはいけないか それはCMを見てもらうためだろうが! ばかな視聴者をCMやカタログでごまかし、商品を売りやすくためだろうが!」 数年後 その時の幹部は退職しハウスメーカーの役員に天下り 連日赤阪の料亭で国会議員の接待を受け持った 「まあ先生お一つどうぞ 先生のおかげで当社も順調に売上げが伸びております しかしなんですなぁ少子化で家を造る人が減るかと心配しましたが 25年で建替えなくてはいけない我々の家造りのおかげで今でも仕事だけは 順調にあります 先輩達のおかげです (爆) 国の経済も我々の商売もお金が周って初めて成り立つと言うもの 先生の口座にいつものように政治献金しておきましたから 今後ともよろしくおねがいします。」 *注意 この物語りの文中に出てくる家賃月に120万円は実際にヒゲに展示場出展の 話があった時 某テレビ局の方が言われた金額です 実際にはこの他 当然モデルハウスを建てますがモデルだけあって スタイルが良く化粧も服もお金がかかり金遣いが荒いので、約1億円です このモデルハウスは数年後には建替えなくてはいけません これらのお金はすべて お客様からいただくことになります。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ もどる