ビジネス情報掲載 平成15年3月20日号
工務店の技あり施工D 山栄建設

電化住宅コンテスト 入選作品《1》

山栄建設は「電化住宅建築作品コンテスト」(主催・中国電力)に六期連続入賞を果たした。
ここで、これまでの入選作品を振り返り、《工務店の技あり施工》を同社の一級建築士・下垣内
美幸さんにうかがった。

【1997年審査員特別賞・E邸(福山市新市町】
■設計コンセプトから、まず教えてください。

「『地球にやさしい省エネ電化住宅』です。外断熱FB工法(気密ランクC)は、床下に蓄熱式
暖房機”ちくだん”を設置し、床下、壁体内、天井裏を暖め、家そのものを輻射暖房機とする
ユニークな工法です」


■ソーラーエネルギーも利用されたとか。

「ソーラーエネルギー(熱)で、お湯を作り、給湯のみならず暖房にも利用しようというシステムを
設置しました。名づけて『FBソーラー』。基本となるFB工法は「断熱」、「気密」、「換気」、「空調」
の四つのベーシックを大切にし、熱交換換気扇で一年中、床下、壁体内まで換気するという、
まさに“呼吸する住宅”なのです」


■安定した温度環境が得られるわけですか。

「今回のシステムは太陽熱で熱くなった不凍液を、床下のパネルヒーターで放熱させた後、給湯
タンクに入り、お湯を作るもので、ベースとなる暖房“ちくだん”は4.5キロワット一台で家じゅう(
トイレ、押入れまで)の床暖房の暖かさは実に快適で、体にも優しい家といえます」


■床下に置いた一台の暖房機で家じゅうすべてが暖かいということが最初は信じてもらえなかった
とか(笑)。

「施工した当時は外断熱はおろか、高断熱・高気密住宅も北海道や東北以外では聞きなれない
言葉でしたから」


■近所の人たちも興味を持たれたのでは。

「完成見学会を、平成7年夏に行いました。二日間で250人を超える来場者数でした」


■反応はいかがでしたか。

「建物よりも当時としては珍しかった、電気クッキングヒーターに関心が高かったですね。私自信
驚いたのは、まず新築の家だというのに、独特の嫌な臭いが全くしなかったこと。当時はまだ、
ホルムアルデヒドなどの化学物質は話題になっていませんでした。もう一つは、あれだけ多くの
来場者がありながら、普通の壁掛け式エアコン一台で冷房していたのに、玄関から廊下、二階の
トイレまで、家じゅうが涼しかったことです」


■それはすごいですね。

「二時間で家じゅうの空気を全て入れ替える二十四時間計画換気を熱交換換気扇で行うことで、
化学物質の除去や冷暖房費の削減ができるとは、これも《工務店の技あり施工》ですね」


連絡先 山栄建設(株) 
福山市御幸町1144−3
電話 0849−55−7700


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