ビジネス情報掲載 平成15年4月20日号
工務店の技あり施工E 山栄建設

電化住宅コンテスト 入選作品《2》


山栄建設は「電化住宅建築作品コンテスト」(主催・中国電力)に初
回から現在まで、六期連続入賞を果たした。引き続き、同社の一級
建築士・下垣内美幸さんに、これまでの入選作品を振り返り《工務
店の技あり施工》を伺った。

【1998年 佳作・Y邸(府中市出口町)】

■Y邸の設計コンセプトについて教えてください。

「本当の意味でのバリアフリー住宅を追求し、からだにやさいい
『温度のバリアフリー』で、これからのシルバーライフを快適に過ご
していただけるよう提案しました」


■バリアフリー住宅とは、段差をなくしたり、廊下の幅を車椅子が通
れるように広げたり、手すりをつけることだと思っていましたが。

「教科書にはそう書いてありますが、急激な温度変化による血圧へ
の影響で毎年、多くの方が脳出血、脳梗塞などで亡くなったり、苦
しんだりしておられます」


■教科書に書いてあることがすべてではないわけですね

「逆に段差をわざと作ったり、階段の幅を狭くして欲しいという、ご
高齢のお施主様からの要望もありますよ。体を使わないでいるこ
とによる、筋力の衰えを考慮されてのことです。ただし、段差のあ
る場所には手すりを付けるようにしています。狭い階段も、足元が
ふらついた時に手すりや壁にすぐ手が届くので、大事に至らなく
てよかったという声がありました」


■話はY邸に戻りますが、この家ならではの話がありますか。

「新しい家に住むようになって、一週間するかしないかだったで
しょうか。病気でパンパンにむくんでいた、お祖父さんの足から
すっかりむくみが引いて、元の足に戻ったと施主様からうかがい
ました。また、広島大学によって秋・冬・夏の各一週間、家のなか
七箇所と外部の温度、湿度のデータ測定が行われました。これ
は山栄建設のサイトでご覧いただけます。
(http://www.sky-net.or.jp/hige/hyousi/sawayaka.htm) この
データの素晴らしさに驚かれた広島大学の教授が学会で、この
家を発表されたそうです」


■学会で発表されるほど他の住宅とは違う理由は、どこにあると
おもわれますか。

「外断熱で断熱・気密に切れ目がないので、外部の温度、湿度
の影響を室内はもちろん床下、壁の中まで受けにくい
ようになっています。そして、壁の二重の通気層のうち、室内側
の通気層を利用して冷暖房を行いながら二十四時間熱交換換
気システムで熱を回収するという独自の《技あり施工》だからで
すね。


連絡先 山栄建設(株) 
福山市御幸町1144−3
電話 0849−55−7700


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