ビジネス情報掲載 平成15年5月20日号
工務店の技あり施工F 山栄建設
シロアリ防除の新システム
建物から出る有害な化学物質が問題視されている。有害物質を
含まない建材を使用することはもちろん、室内の換気も重要であ
る。しかし、シロアリ対策のため、大量の農薬を床下に散布して
いれば、有害化学物質の影響を受けてしまう。
今回は、シロアリ対策につて、最先端の《工務店の技あり施工》を
山栄建設の下垣内美幸さんに聞いた。
■シロアリについて、簡単に説明してもらえますか。
「シロアリは体長わずか数ミリの昆虫でゴキブリの仲間です。地中
に巣をつくり、女王を中心に数万から数百万の“社会的な集団”を
形成します。湿気のある場所に出現するヤマトシロアリのほかに、
蟻道をつくって自分で水を運ぶイエシロアリも北上しています。
九十%を占める働きアリが、建材の小さなすき間からでも侵入し、
木造住宅の柱や土台を食い荒らします。弱点は光と風なので、柱
を薄皮一枚残した状態で食べるのです」
■山栄建設では建物の床下に、シロアリ駆除の薬を使っていない
と聞きましたが。
「当社は通気工法を導入しているので、シロアリ駆除剤は一切使用
していません。これは住宅金融公庫でも許可されています。さらに、
独自の工法で床下にいつも新鮮な空気を機械で送り出し、その空
気が壁の中を通るので床下や壁の中は常に乾燥した状態を保って
います」
■床下に送る空気の量はどれくらいですか。
「一時間に六畳間八杯分です。二時間あれば家じゅうの空気が
すっかり入れ替わる量です」
■柱が常に乾燥しているということは、シロアリの被害から守るだけ
でなく、建物も長持ちしますね。
「言葉だけの100年住宅や健康住宅でなく、本当に“安全・安心・
温かい”建物だと、自信を持っています。
■次に蟻道について教えてください。
「弱点である光と風を防ぎながらシロアリが移動するためのトンネル
のことです。床下に駆除剤を散布したり、基礎にメッシュを張るとか、
あるいは床下にコンクリートを打ってある家でも建物の外から基礎
部分に蟻道をつくられて、換気口から床下へ簡単に侵入されます」
■山栄建設が行っている、外から侵入するシロアリ対策は。
「まず、基礎に換気口が無いので簡単に床下に侵入できない構造
となっていますが、万一のためにセントリコンというシステムを採用し
ています。シロアリは年に数回脱皮します。食べると脱皮ができなく
なるエサを家の周りに埋めシロアリを巣ごと退治する方法です。大
量の薬液を散布しないので、ご家族やペット、周辺環境にも安全で
すし、気になる臭いもありません。このシステムは新築はもちろん、
既存建物にも使用できます。五年の保障期間が過ぎた家や薬剤
散布の臭いが苦手な方、薬害が心配だと思われたら、ぜひご相
談ください」。
連絡先 山栄建設(株)
福山市御幸町1144−3
電話 0849−55−7700
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