工務店の技あり施工K
山栄建設

高断熱高気密住宅の実際(2)


高断熱高気密住宅に必要な四つの要素が、高断熱化・高気密化・全館暖房・計画換気だと前号で聞いた。
今回は、断熱について山栄建設の一級建築士・下垣内美幸さんに伺った。


■最初に、断熱とはどういうものですか

住宅での「断熱」とは、屋外の暑さや寒さを寄せ付けないことで、最も重要なのは「保つ」ということです。
家の中を暖めたり、冷やしたりした空気の温度を保つことが住宅の持つ「断熱性」です。ちなみに、熱を
外に逃がさないのが「気密性」です。


■では、断熱性を得るためには、どのようにすれば良いのでしょうか。

簡単に説明すると、家の断熱材(グラスウール、断熱フォームなど)で包んでしまえばよいのです。ただ、
この包み方や断熱材の種類などで、断熱の性能が大きく変わります。


■断熱の方法ではどうですか

断熱の方法には内断熱工法と外断熱工法の大きく分けて二つの工法があります。山栄建設のFB工法は
外断熱工法です。


■一般の住宅の断熱について、教えてください

一般の住宅は気密工事がされていないために、外気が流れ込み室内の温度を保ちにくいのが特徴です。
温度を維持するために冷暖房を部屋ごとに行わなくてはならないので、室温の差が結露の原因となります。
壁の中で安定した空気の流れが作れないので、壁の内側に結露を起こしやすいというデメリットもあります。


■一般の住宅で壁の中いっぱいに、断熱材を詰め込むとどうなりますか

断熱材を厚くして、密度を上げることにより、いままで隙間を自由に通っていた壁の中の
通気の動きが無くなります。そのため、暖かい室内側から水蒸気を含んだ空気が壁の中や
小屋裏に侵入して、結露の原因となります。壁の中での結露は、グラスウールなどの断熱
材を湿らせて断熱効果をほとんど奪い、木材を腐らせ、家の寿命を縮める原因となります。


■そういえば、解体中の家のグラスウールがカビで真っ黒になっていたり、ずり落ちてい
るのをよく見かけますが、これは結露による水蒸気が原因だったのですね。

はい、また壁にはカビが生えていきますが、このカビはダニのエサとなります。繁殖した
ダニの死骸やフンを吸い込むことによりアトピーやアレルギーの原因にもなります。


(次号に続く)


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