工務店の技あり施工L
山栄建設

高断熱高気密住宅の実際(3)

内断熱と外断熱の違いについて、前回に引き続き
山栄建設の一級建築士下垣内美幸さんに伺った。

■内断熱から教えてください。

グラスウールの室内側を壁の中に湿気が入らないよう、かつ暖気が逃げないように
ポリフィルム等の気密シートで覆います。また、グラスウールの外側には防風シート
で覆います。のそ暴風シートは、雨や風が入らず、逆に壁内の湿気を外に逃がすこと
ができる小さな穴が開いたビニール製のものです。さらにその外側には、外気が自由
に通るように通気層を設け、その外側に外壁を貼ることで熱にも湿気にも強い建物が
できます


■内断熱で気をつけることは

薄いポリエチレンフィルムで覆うため、ビニールハウス様な雰囲気になります。薄い
気密シートは壁の上下や端部など複雑な形状への張り付けが難しく、釘や金物に弱い
です。また、修繕や改築などで壁に穴を開けた時に、そこをふさぐことが困難になり
ます。 夏場は室内で冷房をかけるために、通気孔から進入した高温多湿の空気が断
熱層内(壁内)で結露し、腐れやカビの原因になる恐れがあります。



■外断熱とは

家の外側、つまり基礎の外側や柱の外壁、そして屋根の下を熱にも湿気にも強い板状の
断熱材で覆うことで、建物全体を断熱・気密にする工法です。 内断熱との違いは床下
や壁の中も室内と同じ温湿環境にでき、建物全体が室内の断熱・蓄熱・調湿作用をして
くれます。 コストは内断熱と比べ少し割高になります。


■外断熱で注意することは

外断熱工法では、床下から壁内、小屋裏に至るまでが、一つの空間になり、同じ空気が
循環することになります。 そこで、化学薬品や薬剤(防カビ、防虫等々)を使用する
と室内まで流れ込み、健康ハウスのつもりが、とんでもないシックハウスへと変身して
しまいます

(次号に続く)


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